ハーディー・ワインベルグの法則【進化】 高校生物
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- Опубликовано: 7 фев 2025
- 【 note : note.com/yaguc... 】
ハーディー・ワインベルグの法則について講義します。
演習の動画はこちら
• ハーディー・ワインベルグの法則(演習) 高校生物
ABO式血液型にからんだ問題の解説はこちら
• ハーディー・ワインベルグの法則(ABO式血液...
●そもそも、特別な条件が加わらない限り、遺伝子頻度が変わらないというのは当然な話です。遺伝子は自己増幅する因子(自分をコピーしていく因子)なのですから、突然変異などが起きなければ遺伝子頻度が乱れないのは当然です。重要なのは、むしろ『突然変異が起きないなどの条件が整っていれば、遺伝子頻度から遺伝子「型」頻度(遺伝子型AAやAaやaaの出現頻度)を推定できる』ということです。これは、各遺伝子の頻度(pやq)がわかれば、遺伝子型の頻度(AAの頻度[p二乗]など)がわかるという便利な規則です。
●Aの頻度をp、aの頻度をqとします。メスのボックスからaかAの卵を、オスのボックスからaかAの精子を引き、組み合わせて子供を作ると、pの二乗の確率でAAが、2pqの確率でAaが、qの二乗の確率でaaが生じます。遺伝子プールから遺伝子というボールを引くイメージで解きましょう。当然、雄雌で遺伝子頻度が変わらないという前提に基づいています。
問題:Aとaの対立遺伝子を考える。ある集団のAの遺伝子頻度をp、aの遺伝子頻度をqとする。p=0.2のとき、qはいくつか。
答え:0.8(=1-0.2)
問題:1つ前の問題の集団について、ハーディー・ワインベルグの法則が成り立っているとして、この集団に存在する遺伝子型AA、Aa、aaの個体の存在比を答えよ。
(ハーディー・ワインベルグの法則が成り立たっている場合は、いつも遺伝子型AAの個体がpの二乗匹、遺伝子型Aaの個体は2pq匹、遺伝子型aaの個体はqの二乗匹いると考えてよい)
答え:遺伝子型AAの匹数:遺伝子型Aaの匹数:遺伝子型aaの匹数
=pの二乗:2pq:qの二乗
=0.04:0.32:0.64
=1:8:16
問題:遺伝子型AAの個体が2匹、遺伝子型aaの個体が2匹いる。Aの遺伝子頻度は?
答え:遺伝子は全部で8個。Aはそのうち4個。したがってAの遺伝子頻度は0.5。
(このように、どの遺伝子型が何匹いるかまでわかっていれば、数えるだけでどんな問題も解けます)
問題:Aの遺伝子頻度をp、aの遺伝子頻度をqとする。ハーディー・ワインベルグの法則が成り立たっているとすると、遺伝子型Aの頻度は?
答え:pの二乗。
(ハーディー・ワインベルグの法則が成り立たっている場合は、いつも遺伝子型AAの個体がpの二乗匹、遺伝子型Aaの個体は2pq匹、遺伝子型aaの個体はqの二乗匹いると考えてよい)
問題:ハーディー・ワインベルグの法則が成り立たつ条件を5つ答えよ。
答え:①集団が十分に大きい②外部との出入りがない③突然変異が起こらない④自然選択が働かない⑤雌雄間の交配が自由に(任意に)行われる
#進化
#高校生物
#ハーディーワインベルグの法則
ハーディー・ワインベルグの法則について講義します。
●そもそも、特別な条件が加わらない限り、遺伝子頻度が変わらないというのは当然な話です。遺伝子は自己増幅する因子(自分をコピーしていく因子)なのですから、突然変異などが起きなければ遺伝子頻度が乱れないのは当然です。重要なのは、むしろ『突然変異が起きないなどの条件が整っていれば、遺伝子頻度から遺伝子「型」頻度(遺伝子型AAやAaやaaの出現頻度)を推定できる』ということです。これは、各遺伝子の頻度(pやq)がわかれば、遺伝子型の頻度(AAの頻度[p二乗]など)がわかるという便利な規則です。
●Aの頻度をp、aの頻度をqとします。メスのボックスからaかAの卵を、オスのボックスからaかAの精子を引き、組み合わせて子供を作ると、pの二乗の確率でAAが、2pqの確率でAaが、qの二乗の確率でaaが生じます。遺伝子プールから遺伝子というボールを引くイメージで解きましょう。
問題:Aとaの対立遺伝子を考える。ある集団のAの遺伝子頻度をp、aの遺伝子頻度をqとする。p=0.2のとき、qはいくつか。
答え:0.8(=1-0.2)
問題:1つ前の問題の集団について、ハーディー・ワインベルグの法則が成り立っているとして、この集団に存在する遺伝子型AA、Aa、aaの個体の存在比を答えよ。
(ハーディー・ワインベルグの法則が成り立たっている場合は、いつも遺伝子型AAの個体がpの二乗匹、遺伝子型Aaの個体は2pq匹、遺伝子型aaの個体はqの二乗匹いると考えてよい)
答え:遺伝子型AAの匹数:遺伝子型Aaの匹数:遺伝子型aaの匹数
=pの二乗:2pq:qの二乗
=0.04:0.32:0.64
=1:8:16
問題:遺伝子型AAの個体が2匹、遺伝子型aaの個体が2匹いる。Aの遺伝子頻度は?
答え:遺伝子は全部で8個。Aはそのうち4個。したがってAの遺伝子頻度は0.5。
(このように、どの遺伝子型がそれそれ何匹いるかまでわかっていれば、数えるだけでどんな問題も解けます)
問題:Aの遺伝子頻度をp、aの遺伝子頻度をqとする。ハーディー・ワインベルグの法則が成り立たっているとすると、遺伝子型Aの頻度は?
答え:pの二乗。
(ハーディー・ワインベルグの法則が成り立たっている場合は、いつも遺伝子型AAの個体がpの二乗匹、遺伝子型Aaの個体は2pq匹、遺伝子型aaの個体はqの二乗匹いると考えてよい)
問題:ハーディー・ワインベルグの法則が成り立たつ条件を5つ答えよ。
答え:①集団が十分に大きい②外部との出入りがない③突然変異が起こらない④自然選択が働かない⑤雌雄間の交配が自由に(任意に)行われる
二つ目の問題についてなのですが、3:00〜3:10の部分で書かれていたような自由交配で生じた集団に存在するAA:Aa:aaが、pの2乗:2pq:qの2乗ではないのですか?
@@油そば-s2g
ハーディー・ワインベルグの法則が成り立っている集団では、AAとAaとaaの頻度がpの二乗、2pq、qの二乗になっています。
その理由は、動画であったように、pの頻度で存在するAを持つ配偶子と、qの頻度で存在するqを持つ配偶子が、自由交配で混ぜあわされているらです(p個のAとq個のaがランダムに受精したので、pの二乗のAA、2pqのAa、qの二乗のaaが生じるのです)
なので、
「pの頻度でA、qの頻度でaが存在する集団で、自然選択や移出・移入など起きず、自由交配が起こる(常に起こっている)場合は、AAの頻度はpの二乗、Aaの頻度は2pq、aaの頻度はqの二乗となっている」
と言うことは、
「pの頻度でA、qの頻度でaが存在する集団について、ハーディー・ワインベルグの法則が成り立っている場合、AAの頻度はpの二乗、Aaの頻度は2pq、aaの頻度はqの二乗となっている」
と言うことと、根本的には同じことを言っています。
@@yaguchihappy
ご返信ありがとうございます。
自由交配を何度しても、遺伝子型の頻度は常にAA:Aa:aaは、pの2乗:2pq:qの2乗になるということですか?
(Aの遺伝子頻度をp、aの遺伝子頻度をqとする場合。)
@@油そば-s2g
ハーディ・ワインベルグの法則が成り立つような条件ならば、その通りです。
なんなんだ、声といい、書くスピードといい、リズムといい、完璧すぎるだろ、、、、
ハーディワインベルグについては、小難しいデータの様な表を渡され、理解に苦しんだ記憶があります。
でも矢口先生の教え方は本当に分かりやすいです。
高校生の時、矢口先生が生物担当だったらもっと生物を楽しく勉強できたのになぁと思います。
スタディサプリの生物の先生よりリアルに30倍ぐらいわかりやすいです
確率の問題に似てるってとこっでめっちゃ納得しました!!ありがとうございます!!助かりました!
塾の演習で解くことができず、本当に悩んでいました。この動画で理解することができて、演習も解けるようになりました!動画を上げてくださってありがとうございました😭
なんだこのわかりやすい解説は!
とても分かりやすいです
信じられないほどわかりやすい
わかりやすいし、トーマスのアナウンサーみたいないい声でしっかりわかりました。明日のテストに備えます!
いい声。
教科書でみてよく分からなかったので、助かりました。ありがとうございました
くっそ分かりやすい。
本当に分かりやすくて嬉しい😂
わかりやすいです!!!!
最高すぎます
助かります
めちゃくちゃバンプの藤くんの声
詳しい解説ありがとうございます。この法則の条件や内容は動画やコメントから隅々まで勉強させて頂き、その中でひとつだけ腑に落ちないところがあったので質問させて頂きました。
例えば雄がAA、Aaの2個体、雌がAa、aaの2個体の計4体存在していた場合、Aの遺伝子頻度pは全体が8、Aが4つでp=4/8(=1/2)。aの遺伝子頻度も同様の思考でq=4/8になり、次世代AAの割合(頻度)であるp ²は動画の通り表を作って考えると、雄のp4/8(=1/2)×雌のp1/2で1/4となります。
ここで雄のpである4/8は遺伝子プール全体から遺伝子Aを引く確率を意味しますが、この4/8の分子である4つのA遺伝子の内訳において、1つの遺伝子Aは雌のAaに由来するものですよね? 即ち分子の4つのAには雌のAa由来の対立遺伝子Aも1つ含まれて算出されているのに、何故か雄のAを引く確率(存在する割合)として4/8を雄のpとして扱えるのは何故なのでしょうか?
明らかに私が間違っているのですが納得が出来ないのです。
今は種族全体として遺伝子プールを捉え、その中から引くから問題無い。と無理やり納得しているのですが、何か分かりやすい説明を頂ければ幸いです。
ハーディー・ワインベルグの法則が成り立っている場合を考える(すなわち遺伝子型AAの頻度がp2であるなどと考える)ことができるのは、多数の個体からなる集団を扱う場合のみです。ハーディー・ワインベルグの法則は集団遺伝学の法則です。
たとえば、ある集団に遺伝子型AA:Aa:aa=1:2:1の比で個体が多数存在する場合を考えます。この場合、雄もAA:Aa:aa=1:2:1、雌もAA:Aa:aa=1:2:1で多数存在すると考えます。 この時、Aの遺伝子頻度は1/2です(遺伝子全てのうち、半分がA)。 遺伝子型Aの精子の存在確率は1/2、遺伝子型Aの卵の存在確率も1/2となります(雄も雌も無限大の個体がいるとしています。その集団の中から遺伝子型Aの配偶子を引き当てる確率が1/2です)。
さて、質問にある条件「雄がAA、Aaの2個体、雌がAa、aaの2個体の計4体存在していた場合」を考えます。
「雄のpである4/8は遺伝子プール全体から遺伝子Aを引く確率を意味しますが、この4/8の分子である4つのA遺伝子の内訳において、1つの遺伝子Aは雌のAaに由来するものですよね? 即ち分子の4つのAには雌のAa由来の対立遺伝子Aも1つ含まれて算出されている」の意味がよくわかりません。
雄のAの遺伝子頻度をp'として求めるならば、雄全個体が持つ4個の遺伝子のうち、Aの個数は3個なので、p’=3/4となります。この場合、雄のみの集団を考えています。
雌のAの遺伝子頻度をp’’として求めるならば、雌全個体が持つ4個の遺伝子のうち、Aの個数は1個なので、p’’=1/4となります。この場合、雄のみの集団を考えています。
雄も雌も合わせた4個体の集団の遺伝子プール(遺伝子は8個ある)を考え、その時のA(4個ある)の遺伝子頻度をpとすると、p=4/8=1/2となります。
(ただ、厳密には、あまりこのような少数の集団に、遺伝子プール、という語を使うことは無いです。遺伝子プールは、集団のもつ遺伝子の総体を指すことが多いです。集団遺伝学の用語です。)
今回の4個体の集団(雄2個体、雌2個体)が子供を作るとすると、雄側の精子には3/4の確率(精子4個中3個)でAが入っており、雌側の卵には1/4の確率(卵4個中1個)でAが入っていることになります。
したがって3/4×1/4=3/16の確率で遺伝子型AAの個体が生じます。 (精子4個中、Aが入っているのは3個。卵4個中Aが入っているのは1個。精子から1つを選び、さらに卵から1つを選ぶ時、AAになる確率は、3/4×1/4=3/16)
なお、このような少数の個体からなり、雄、雌で遺伝子頻度が異なるような場合、ハーディー・ワインベルグの法則は成り立たないので、「次世代の遺伝子型AAの個体の頻度はp2だ」などという推定はできません。
@@yaguchihappy 矢口先生、詳細な説明ありがとうございます。7割ほど理解できた気がしますが1点だけ不明な点があるので解説頂きたいです。
今回先生が遺伝子頻度を説明する際、遺伝子プールから雌雄を分けてそれぞれでpとqを求めていますが、一部の参考書や問題集では、雌雄を分けずにいきなり全体からpとqを算出して計算する例が多々あります。
例:以下抜粋)100個体から成るある集団があったとする。その集団の中にAとaの対立遺伝子が存在し、AA、Aa、aaの遺伝子型をもった個体が49個体、42個体、9個体いたと仮定する。
そうすると遺伝子Aは、
遺伝子型AAが49個体いるので、遺伝子Aは49×2=98個、
遺伝子型Aaが42個体いるので、遺伝子Aは42×1=42個、
合計で98+42=140個存在することになる。
遺伝子aについて考えると、
遺伝子型Aaが42個体いるので、遺伝子aは42×1=42個、
遺伝子型aaが9個体いるので、遺伝子aは9×2=18個、
合計で42+18=60個存在することになる。
この100個体から成る集団には、遺伝子が合計200個あるので
遺伝子Aの割合は
140/200=0.7
遺伝子aの割合は
70/200=0.3
となります。
つまり、遺伝子Aの遺伝子頻度は0.7、遺伝子aの遺伝子頻度は0.3であるといえます。
(ここまでの段階で雌雄の区分けもしていませんし、雌雄の比も不明です)
この時次世代の遺伝子型の頻度は雄のp0.7、q0.3 雌のp0.7、q0.3をそれぞれ掛けて
次世代の遺伝子型の比率は動画内と同様の方法で(0.49AA:Aa0.21:Aa0.21:aa0.09)になる。
以上のやり方は先生のように直接雄雌を分けてからそれぞれの配偶子でpとqの割合を出すのとは違い、全体から直接pとq(0.7と0.3)を出してそれを分けずにそのまま雌雄のAとaの遺伝子を引く確率(=受け継がれる確率)として計算しています。 このような雌雄を分けない考え方は雄と雌両方ともpの遺伝子頻度を0.7として計差しており、この0.7は【雌雄ごちゃ混ぜの全体】からAを引く割合なのに、何故そのまま雄のpとしてAを引く確率、はたまた雌のpとしてAを引く確率として使えるのか疑問でたまらないのです。 私からすれば「いや、その0.7は遺伝子プール全体に対するAの割合なんだから、その0.7(140/200)をいきなり雄のpとしても、それは雌のAを引いてきちゃう確率も含まれて無いか?、なぜ矢口先生みたいに雄だけで分けて考えなくても成立するんだ?」となってしまうのが現状です。
私が最初の質問の提示した↓の内容も、今回参考書から抜粋した内容と同じやり方として雌雄で頻度をそれぞれ分けて算出せずにやりました。
「雄がAA、Aaの2個体、雌がAa、aaの2個体の計4体存在していた場合、Aの遺伝子頻度pは全体が8、Aが4つでp=4/8(=1/2)。aの遺伝子頻度も同様の思考でq=4/8になり、次世代AAの割合(頻度)であるp ²は動画の通り表を作って考えると、雄のp4/8(=1/2)×雌のp1/2で1/4となります。」
私の例は次世代の頻度p=q=1/2で変わらず、参考書の抜粋内容と全く同じやり方で示したのに、私の事例は先生によると成立せず、参考書の内容が成立する理由も分かりません。
正直先生の遺伝子プールにおいて雌雄を最初から分けて、それぞれでpとqを求めるやり方はよく理解できるのですが、書籍やネットでは最初雌雄分けせずにpとqを直接求めてそれをそのまま雌雄のpとqに用いており、それが可能な理由を知りたいのです。殆どの参考書は最初から雌雄の比率も明示せず、全個体からいきなりpとqを算出してそのまま雄と雌のpとqとして表を作って次世代の比率を出しているのでますますこんがらがっています。参考書等も先生のように雌雄区分けしてそれぞれでpとqの割合を示すやり方なら有難いのですが…。
確かに、僕も練習問題を作る時にやってしまいそうですが、全体が100個体では個体数が少なすぎます(おっしゃるように、厳密には、雄と雌で、遺伝子型の比率がまったく同じにはなっていないでしょう。たとえば、100個体ではなく、「"多数の個体"からなる集団があり、その遺伝子型はAA:Aa:aa=49:42:9の比率になっている」とすれば、より次世代の遺伝子型の推定が良くなると思います[特に断りがなければ、雄雌の遺伝子の構成は同じとするのが普通である。暗黙の了解です。問題文にないのに勝手に性差を作ってはいけない])。
しかし、雄雌がほぼ均等に存在するなら、超大雑把に考えれば、雄側も雌側も、だいたい同じ遺伝子頻度になるだろうと思います(というか、泣く泣く、そう考えて解くしかないですね。おっしゃるように、現実には、同じになることはないと思ます)。問題が大雑把です。実際の入試ではここまで状況設定が雑なものは少ないと思います。
100個体程度でハーディー・ワインベルグの法則が成り立つ(または雄雌で同じ遺伝子頻度である)、と言い切ってしまうのは不安ですが、問題文でそう言われたら仕方ない(研究データがそれしか集まらなかったのでしょう。そういうこともあります。現実とは異なるであろう値を用いて計算するしかない。現実にハーディー・ワインベルグの法則が厳密に成り立つことは基本的にないです。実際の研究ではどこかでデータの粗さに目を瞑らなければならない)。法則が成り立つとして、たとえば遺伝子型AAの頻度をp2として計算するしかない。
繰り返しますが、現実にそのような雄雌入り混じった100個体の集団があった場合、次世代の遺伝子型AAの頻度は、p2の値とはずれると思います。あなたの違和感は真っ当なものです。
@@yaguchihappy 先生ありがとうございます。つまり多くの書籍やネットでは視覚的な分かりやすさを優先した結果、厳密精に欠けるということだったんですね。本来はAA:Aa:aa=49:42:9というのは、雄も49:42:9 雌も49:42:9を意味していて、私の疑問だった確率に整合性を持たせるには雌雄合計で考慮した場合のAA:Aa:aa=98:84:18とすれば良く、結局それは全体を2倍しているので比を算出しても分子/分母それぞれ2倍で約分できるので、最初から49:42:9で考えるのと同じ事を意味している故に参考書は省略して書いてあると。
つまり私が抜粋した具体例を最初から全個体200(雌雄1:1)として、AAが雌雄それぞれ49体、同様にAaとaaも42体、9体(雌雄合計AA:Aa:aa=98:84:18)で全体の頻度を計算すれば、遺伝子Aは280、全体は400より280/400。こうすれば雄(49:42:9)の比だけからAを引く確率を考えた時の140/200=0.7と一致するから問題無い訳ですね。
でもよくよく考えたら先生の仰る通り抜粋文は100個体のうちAAが49個体の場合、49は奇数なので雌雄で同数になる訳がないですし、そうなれば自ずとAの比率pは雌雄共に0.7にはならないですね。法則条件を満たしていないので問題として欠陥のような気もしますが、あくまで入試や問題は膨大な数を計算できない故、わかりやすい数で誤魔化して表示しているというのが理解できてよかったです。問題文として正しくしたければ全個体の性比を1:1、遺伝子の比を雌雄で同じにしてかつその遺伝子型も全て偶数じゃ無いと頻度は同数として扱えないのはよく理解出来ました。
つまり厳密な数値を出したい時はハーディワインベルグの法則の条件から、大きい集団(即ちフィッシャーの原理により)より性比が1:1である事、自然選択が起きない(対立遺伝子が生存や性比に影響を及ぼさない)、雌雄の遺伝子型(AA:Aa:aa)の比率がそれぞれ同じである事、雌雄どちらにも対立遺伝子Aとaが存在する事が絶対条件という認識でよろしいでしょうか?
余談ですがやはり生物や数学は一度沼にハマると抜け出せないので、とりあえず重要なところや概要だけ掴んで、「こう言うもんだ」と受け入れる素直さも大事だと改めて実感しました。
正しいと思います。よく理解なさっていると思います。
イケボ
改めて教科書を読み直してみたんですが、ハーディワンベルグの法則が成り立つ条件に仰る通り、集団が極めて大きく、ランダムに交配が起きており、突然変異・自然淘汰・移住・偶然的変動がなければということが書いてあったのですが、考える生物集団がオスメスの割合は同じかつ遺伝子型の割合も同じのもとでとは書いて無かったので、その部分が大事なのに記述していないのは何故なのだろうと思いました。
その条件がすべて成り立っていれば、雄雌で差が出ることは考えにくいです。
最後に理解の確認になりますが、自然選択がないという条件がオスメスの遺伝子型の割合を限りなく近くし、十分に個体数が多いというのがオスメスの割合を限りなく近くするという理解でよろしいでしょうか?
正しいと思います。
獲得形質は遺伝するというのが正しいのでしょうか?
入試では、ふつう、「獲得形質は遺伝しない」とします。
ただし、大学に入って学ぶことですが、最近になって、エピジェネティクスにより獲得形質が遺伝することがわかってきました。外界の影響でDNAのメチル化状態が変化し(DNAの塩基配列ではなく、化学的な修飾による変化です)、これが子孫に伝わり、個体の形質を変える可能性があります。大きく見れば、このエピジェネティックな現象によって、獲得した形質が遺伝したことになります。
そうなのですね!ありがとうございます。大学での学びが楽しみです。
精子を作れる確率や卵を作れる確率はオスメスの割合によってp qとは異なってしまわないでしょうか?
よく質問の意味がわかりません。現実の集団では、雄の集団と雌の集団で、同じ遺伝子の遺伝子頻度が異なることはあります(現実の集団では、雄の集団と雌の集団を比べた時、注目している遺伝子の遺伝子頻度が異なるということは普通にあります。当然ですが、個体数は無限ではないので、理論値とのずれが生じます)。
雄が4匹Aa AA aa Aa 雌が2匹aa Aa、全体6匹いる遺伝子プールを考えると Aの遺伝子頻度が5/12でaの遺伝子頻度は7/12なのはわかるんですが、いざこの集団が作るAの精子を作る確率は4/12、aの精子を作る確率は4/12。Aの卵を作る確率は1/12.aの卵を作る確率は3/12になってしまうのですが...
何度も申し上げますが、もう一度落ち着いて教科書をお読みになった方がよいと思います。考え方は正しいと思います。精子と卵を同等に考えることができるのは、雄の集団の遺伝子型頻度と雌の集団の遺伝子型頻度が等しい場合のみです(現実には個体数は有限なので、そのような理想的な状態は存在しないのですが、モデルとして、単純化して考えています)。
一つ前の自由交配の動画では、減数分裂をし配偶子をランダムに交配させることで自由交配になると説明がありましたが、この動画の自由交配はまた別の方法での自由交配でしょうか?
それとも前回のような各遺伝子型の頻度が表記された上で、次世代の各遺伝子型の頻度や、各遺伝子頻度を求める自由交配を考える場合は、減数分裂をし配偶子をランダムに交配させる自由交配の方法で。そしてこの動画のような各遺伝子頻度が表記された上で次世代の各遺伝子型の頻度や、各遺伝子頻度を求める自由交配を考える場合は、この動画で説明のあった自由交配の方法で。として考えれば良いのでしょうか?
理解力が低く、長文となってしまい申し訳ないです。
今回もやっていることは同じです。
前回の動画では、集団から配偶子を集め(その時、Aとaがある特定の割合で集まりました)、その配偶子をランダムに受精させました。
今回も同じことをやっています。
ある集団から配偶子を集めています。
さて、今回は、前回のように、Aが何個あって、aが何個あるか、書いてありません。
しかし、それでもAとaの入った配偶子がどのくらいの割合で集まるかはわかります。
なぜなら、Aの頻度がp、aの頻度がqだからです。Aとaが存在する頻度がpとqならば、Aが入った配偶子はp、aが入った配偶子はqの割合で集まるはずです。
そしてそれらを受精させています。
@@yaguchihappy ご返信ありがとうございます。
基本的に自由交配の方法は同じだか、与えられた値を使うには解き方が少し異なるという解釈で良いでしょうか?
そうです。しかし繰り返しますが、遺伝子頻度が、具体的な数値か、文字かの違いで、やっていることは本質的に同じです。
@@yaguchihappy ご説明ありがとうございます。
理解しました。
ハーディワインベルグの法則の5つの条件のうち、1つでも成立しなければ進化が起こると高校の資料集に書いてありました。しかし、進化は突然変異したものが自然選択または遺伝子頻度によって集団内に定着していくものであるため、成立しない条件が1つあったとしても、条件③の「突然変異が起こらない」が成立していれば進化は起こらないのではないでしょうか??
教えていただけると幸いです。
どのレベルの変化を進化と定義するかによります。一般的に、狭義の(そして小規模のレベルの)進化は、ある集団内の「遺伝子頻度の変化」です。
一部の進化学者(特に進化遺伝学者)は、ある生物の集団に存在する遺伝子の遺伝子頻度が変化した時、「進化が起きた」とみなします。自然選択や、遺伝的浮動(偶然の効果)などによって遺伝子頻度は変化しますが、それだけでもう「進化が起きた」としてしまいます(突然変異で新たに生じた遺伝子ではなく、もともと集団内にあった遺伝子の頻度の変化ですら、進化に含めます)。
@@yaguchihappy よく分かりました!解説していただきありがとうございます!
新しく2つ質問があるのですが…
1つ目
この狭義の進化の定義の場合、ある集団に突然変異が起こったとき、その瞬間に遺伝子頻度が変化しているため、進化が起こったと見なしても良いということでしょうか?
2つ目
条件⑤の「雌雄間の交配が自由に(任意に)行われる」=「個体によって繁殖力に差がない」と考えることで、条件④の「自然選択が働かない」と同じ意味と捉えることは可能ですか??
3つ目
集団が小さい場合でも、自由交配が行われるとしたら偶然によって遺伝子頻度が変化することはないため、条件①は必要ないのではないでしょうか?また、2つ目と3つ目の質問から、ハーディワイングの法則は①外部との出入りがない②突然変異が起こらない③自然選択が働かない、の3つの条件として考えることは可能ですか??
「1つ目 この狭義の進化の定義の場合、ある集団に突然変異が起こったとき、その瞬間に遺伝子頻度が変化しているため、進化が起こったと見なしても良いということでしょうか? 」
良いです(ただ、その瞬間を観測するのは非常に難しいと思います)。
「2つ目 条件⑤の「雌雄間の交配が自由に(任意に)行われる」=「個体によって繁殖力に差がない」と考えることで、条件④の「自然選択が働かない」と同じ意味と捉えることは可能ですか?? 」
難しい質問です。可能ではないと思います。自然選択は、「自由交配」とは意味合いが違う(観点が違う)と思います。自然選択は、「遺伝的多様性をもつ同一種内の個体間に適応度(繁殖率や生存率)の違いが存在することにより、それぞれの遺伝子型によって子孫を残す割合が異なる現象」を指すことが多いです。この現象と、「雌(または雄)が、相手を自由に選ぶ(自由に交配する)」現象とを同義とするのは、違和感があります(確かに、結局、残せる子の数の偏りを問題にしているのですが、たとえば『生殖可能な年齢に達するまで生存できないという形質』を考えた場合に、この形質を持った個体は自然選択によって消えていきますが、その想定に、性的なパートナーの選り好みやパートナーを選ぶ際の不自由の概念は必要ありません[自由交配云々の話は出てきません])。
「3つ目 集団が小さい場合でも、自由交配が行われるとしたら偶然によって遺伝子頻度が変化することはないため、条件①は必要ないのではないでしょうか?」
いいえ、自由交配は(厳密な定義はありませんが)、一般に、「雌(雄)が性的パートナーを選り好みせず、その集団にいる誰とでもランダムに自由に交配する」というイメージです。残せる子供の数が有限である以上、必ず偶然の効果は現れます(たとえば、理論上、ヒトの子供の雄雌は1:1で生まれますが、厳密に雄雌が1:1で生まれてくるようなヒト集団はあり得ません。必ず統計上のゆらぎが生じます[非常に多数の子供を残すと想定すれば1:1に限りなく近づきますが])。
「また、2つ目と3つ目の質問から、ハーディワイングの法則は①外部との出入りがない②突然変異が起こらない③自然選択が働かない、の3つの条件として考えることは可能ですか??」
上記の通り、不可能だと思います。
@@yaguchihappy分かりました!3つ目に関しては、自由交配が行われるとしても偶然遺伝子頻度が変化することがあるため、その偶然によって遺伝子頻度が変化することを防ぐには集団は大きい方が良いということですね!
たくさん質問に答えていただきありがとうございます!
その通りです(現実には、偶然の効果が全く現れない[遺伝的浮動が全く起きない、無限大の大きさの]集団は存在しません。つまり、ハーディー・ワインベルグの法則が成り立つ条件が厳密に守られることはあり得ません。よって、生物界では、必ず[規模は様々ですが]進化が起こっていることになります)。
卵と精子の作る遺伝子頻度が、ともにp qとおけるのは、オスメスの割合は1:1でオスメスの遺伝子型もそれぞれ同じ割合でいるモデル設定で考えているからということでしょうか?
正しいです。
この場合オスメスの割合が同じ、オスメスの遺伝子型の割合がそれぞれ同じとして考える設定はハーディワンベルグの法則が成立する条件のどれに該当するんでしょうか?
集団が極めて大きく、ランダムに交配が起きており、突然変異・自然淘汰・移住・偶然的変動がなければ、ふつう雌雄で大きな差は生じないと考えられます。
ハーディーワインベルクの法則で、遺伝子頻度が変わらないのは分かるのですが、時々、遺伝子型頻度も変わらないという記述も見るのですがどうしてですか。例えば、先生の1つ前の動画で、AA:Aa:aa=2:3:1の自由交配のとき、次の世代は遺伝子頻度は一致していますが、遺伝子型頻度は一致していないように思います。
また、自由交配自体についての質問なのですが、AA:Aa:aa=1:2:0の植物を自由交配し、次世代のaaの割合を求める場合、普通に考えるとAaの個体同士から1/4の確率で生じるので、2/3×1/4≒0.17となりますが、遺伝子を集めて考えるとaの遺伝子頻度は1/3なので、1/3×1/3≒0.11となる気がするのですが、何が間違ってるのでしょうか。
前半の話ですが、ハーディー・ワインベルグの法則は、基本的には遺伝子頻度に関する法則です。高校教科書、南山堂医学大辞典、化学同人分子細胞生物学辞典はそのように記載しています。ただ。遺伝子型頻度について言及することも多いです(この法則によって、遺伝子型頻度を推定できると言う面は有用です。)
※ただし、はじめグチャグチャな遺伝子型頻度でも、一回の自由交配で遺伝子型頻度の平衡も達成されます。つまり、一回自由交配が起これば、均等に配偶子が混ぜ合わせられるので、AAの頻度がp二乗、Aaの頻度が2p q、aaの頻度がq二乗にそろいます。後半の例で言うと、現状がAA:Aa:aa=1:2:0でも、自由交配の結果、AA:Aa:aa=4:4:1となり、あとは何度自由交配を繰り返しても[ハーディー・ワインベルグの法則が成り立つ条件の限り]このまま変動しません。
後半の話ですが、A aから4分の1でa aが生じるだけではありません。4分の1でaaが生じるのは、Aaが「自家受精」した場合です。自由交配なので、 AaはAAとも交配しなければなりません。
自家受精と自由交配は違います。自由交配は、Aaが、他のすべての個体(AaやA Aに関係なく、どんな相手とも)とランダムに交配して膨大な子を作るので、その総計を計算しなければなりません。その膨大な子の中で、aaの子を探すことになります。
(そんなことは紙の上でなかなか計算できないので、配偶子を集めて、まとめて計算します)
※もちろん、(僕は、個人的に複雑になると混乱しやすいのでそう教えませんが、)3分の2でAaが選ばれ、さらに3分の2で交配相手のAaが選ばれ、さらに4分の1でaaが生じるとしても解けます。2/3×2/3×1/4=1/9
@@yaguchihappy ありがとうございます_(._.)_
精子や卵の遺伝子頻度はあくまでも期待値ということでしょうか?
もう一度教科書を読んでみてください。実際に集団に存在する個体がつくる精子と卵を全て採取し、1つ1つ遺伝子型を調べることは不可能です。集団全体が生み出す配偶子(精子や卵)集団における遺伝子頻度は、計算によって理論上の値を求めるのが普通です(また、現実の集団はハーディー・ワインベルグ平衡の状態ではありません。現実には遺伝子頻度は変化します[集団は有限です。交配はランダムには起こりません。突然変異が生じます。移出移入は当たり前です。生育の途上で自然選択がはたらくかもしれません。現実の遺伝子頻度を議論する時には、適当な補正が必要になることがあるでしょう])。
4:20の、2pq人 Aaのところ、Aが1個×2人=1×2pqではないのですか?
申し訳ありません。よく意味がわかりません。確認しましたが、今の僕には決定的な間違いが見つけられません。
2pq人遺伝子型Aaの人がいた場合、
その集団の遺伝子の総数は、一人がAとaの二つの遺伝子を持ちますので、
2×2pq個
Aの数は(A aの人は1人1つしかAを持ちませんので)
1×2pq個
になります。動画でもそういう話をしています。
もし1×の省略を指摘していただいたのならすいません。1をかけても数が変わらないので省略しました。特に問題はありません。無論、入試本番でも1×は省略して構いません。
@@yaguchihappy 丁寧な解説ありがとうございます。誤解していたところがありました。理解できました。